ダイニングチェアー「つつみ」の制作 [日々の出来事]
久しぶりに「つつみ」の制作をしました。追加予算を出していただき、1脚11万で4樹種での制作です。奥左がナラ、奥右はウォールナット、手前右がエゾヤマザクラ、手前左が桑です。ウォールナットを除く3樹種は近年お付き合いし始めた札幌のLOVE WOOD(能美)さんで入手しました。
これ北海道産の桑材なのですが、実はエンジュの山のなかに紛れていたものだったのです。エンジュを在庫していることでさえ珍しいのですけど、「これねぇ、桑だと思うんですよね、、、」の一言に「うそ!!!」と猛烈に反応してしまいまして「えー!?いやー事後承諾で桑に変更します」「えー!大丈夫ですか!?」なんて会話になりました(笑)
桑ってね、材料屋さんで見つけたのは初めてなんです。いつか桑で「つつみ」を作ってみたいくらいに思っていたほど市場では出くわしませんから、嬉しかったんですねぇ〜。
で、ルンルン気分で持ち帰ってさっそく削ってみると、
奥が焼け色で手前が2ミリほど削った色です。すごいでしょう?金桑なんて言い方もあるんですけど、これは北海道の金桑だ!って思う様ないい色でした。
写真ではなかなか伝わりにくいかもしれませんが、感動の仕上がりです。
キラキラしてるし、
年輪と直交している模様が髄線。
これはエゾヤマザクラ、緑がかった縞模様がうんと派手な個体を選んだのですけど、これがまたうっひょー!!な結果。
すんごいでしょう?これもまた「いつかこんな材で作ってみたいなぁ」なんて夢が実現したんですわ。
後ろから見たアームの年輪がド派手でしょう?
これは北海道産のナラ。硬くてしっかりした木味のいいナラです。ナラは髄線がはっきりしているので曲面にした時にこそナラの本領って発揮されるものだと今回しみじみ再認識しました。
この貫は虎斑(とらふ)ですね。
ほらここの髄線の見え方はまた格別です。
最後は極上のウォールナット。こんなに色が濃くて木味の締まった材はなかなかありません。
ここはあえて濃淡のある材を見せて、
フィンガージョイントの奥と手前でものすごく色が違って見えるのは木の繊維の向きによって光りを反射する角度が違うからです。
今回のお客さんは自宅のリフォームに合わせて本当に気に入ったダイニングチェアーを選ぼうと探して探してようやく僕のブログに辿り着いたのだそうです。
「ウェグナーのY チェアーも見て座ってもみたんですけど、やっぱり「つつみ」の方がいいと思ったんですよね。これを見つけた自分を褒めてやりたい」とまで言ってもらえたのでした。
28年にわたって進化させ続けたデザインで、途中でもうやめようかと思った時期もあったのですけど、あきらめずに改良を加えて今に至るわけで、そのデザインにそこまで言ってもらえたら、泣けちゃいますわね。
あれこれ集中できない事情をかかえながら、どうにか納得の完成度にこぎ着けてほっとした今日でした。
ご無沙汰ばかりしていますが、元気でやってます。
木目が綺麗に活かされてますね〜♪^^
お元気そうで何よりです。
by hatumi30331 (2016-11-14 08:39)
見事な出来にうっとり・・・で~す^^
by トックリヤシ (2016-11-14 14:35)
一脚だけ黄色に着色?って一瞬思ったのですが、金桑というのですね!エゾヤマザクラや虎斑もゾクゾクものです。うっとり~~うらやまし~~。写真だけでも見せてくださりありがとうございました!
by ヘルミーネ (2016-11-15 01:30)
何はともかく、お元気に
素晴らしい、ほれぼれなお作品を、世にお乱して見えますこと うれしいです、
誠に、美しい、その一言です
その曲線を,なぜ」ながら自然の生み出す、模様を愛でる、至福ですね
見せていただいて、眼福です
by engrid (2016-11-16 01:37)
頑張っていますね!
by COLE (2016-11-20 21:26)
ご無沙汰してます
金桑素晴らしいですね
どれも素晴らしい材ですね大事なデッドストックでしょうから良い方と巡り会えて幸せですね
by ケンゾー (2017-02-27 20:44)
それぞれの木肌が素敵ですね。
木好きなら、もう言うこと無し!ですね♪
by みち (2017-03-28 00:49)