シンジルことはアイスルコト [桜のマグネット]
憶えていた方もいるでしょうか、のえる小児科さんのために創った春のマグネットです。 6月のある日、このマグネットをぜひ購入したいというメールをいただきました。子供さんのお名前にも桜の字を使うほど桜の好きな方で「のえるさん」で見かけて一目ぼれしていただいたそうで、しかし、ネットで検索するも見つからず、あきらめていたら、違うことを検索している時に偶然見つけて下さったのだそうです。
お値段を言えばびっくりされるだろうとは思いましたけど、メールをしましたらそれでもお願いしたいとのお返事。でも後日「びっくりされたでしょう?」とたずねると「正直予想の倍でした」とのこと。それでもほしいと思っていただけたこと、何よりそれだけの手間がかかっているということを信じてくれたことがが嬉しかったのです。
仕事の合間に気合を入れて始めました。
ほどよい年輪の強さの材を選んで、
この仕事で案外気を使うのはこの12Φのえぐりの加工です。刃物が「ちょっとでも切れなくなると繊維がボソボソに毛羽立ってしまいます。
ドリルの刃をきちんと研磨して気持ちよく削りました。
竹の子杢も見事に決まり、
側面も正面も、荒、中、仕上げと3段階のペーパーを当てて最後に面取りです。
3回色を重ねて、やっと納得して2回の下塗りの後、マグネットを接着。仕上がりが近づくにつれてモノが言葉を持ってくる感覚があるんですよね。妥協も失敗もせずにちゃんと出来上がってくるとモノに命が宿ってくるような感覚です。そんな感じがするときはまちがいなくいい作品が創れている証拠。
ほらね、快心の出来です!
しゃべっているんです。「木って、年輪ってすごいでしょう?地球って豊かでしょう?」って、、、。
僕ね、人を信じられないがために不幸な人を 強烈に見てしまったんですね、、、。だから信じあえることの幸せに敏感なのかもしれません。シンジルってアイスルコトだと思いませんか?
小さくても精一杯の愛を。
Tさん、ありがとうございました。