ナッツ君とチェリーちゃん (桐の小たんす、桐の収納) [桐の小たんす]
「こんにちわ!僕、ウォールナットのナッツ君」
「私はブラックチェリー、チェリーちゃんて呼んでね」
僕はkuniさんの工房に来て、かれこれ5年くらいかなぁ、、、。アメリカからやってきて、周りにはアメリカ出身がいなくて寂しかったんです。でもね、去年チェリーちゃんがやって来て、僕らはラブラブなんです。
今日も工房の隅でおしゃべりしていたら、kuniさんが僕らをひっぱり出して、なんでもとってもキュートな使い方をしてくれるんですって。
まず、僕らは8.4ミリの角捧になりました。丸棒にするんだって言ってますけど丸棒って、何?
「うげ~、丸棒になるってこんなに過酷なんですね、、、。」
桐の集成材で組んだ本体を木ねじで組んだ穴に僕らは嵌るんだそうです。でも手前の三つ並んだ穴は木ねじが入ってませんよ。妙ですね、、、。
コンコンと嵌めては鋸で切って、
「あ、チェリーちゃんきれいだね!」
「うふ~」
「僕だって」
「色が濃いからキリッとしまるよ」
さて、kuniさん、引き出しを組んで、入れてみます。
「あれ~?重いなぁ、、、まずいぞ、、、」
和の家具の注文ってめったにないので、ちょっと勝手が違うのだそうです。というのは、現代の家具って口板が被せタイプなのと、レールを使うというふたつの点で空気の逃げ道があるけど、和の家具は口板が本体の内側にあって、空気の逃げ道がないのですって。だからわざと逃げ道を作らなくちゃいけない。それがどうも勝手がちがうんだそうですよ。
kuniさん、しょうがなくて、引き出しをゆるめにしてなおかつ裏のネタもえぐって空気の通り道を作ってました。
「まぁ、こんなもんかなぁ、、、」
この後、一通り鉋をかけ、ペーパーもあてて、
仕上げに汚れ止めと防カビの塗料をさっと、ひと塗りしてました。
なるほど、天板の三つのダボ埋めはタイトルみたいな意味なんですね!?
「チェリーちゃん、君ってこんなにキュートだったんだね!?」
「あら、ナッツ君もこんなに男前だったのね!?」
「×××××××××××××」
お客さんの注文で引き出しには仕切り板も。帯あげと帯締めを仕切るって言ってたそうです。
「箱を組むのに木ねじのダボ埋めって最低限のランクなんだけど、こうしてやればそれもオシャレのポイントでしょ?」
「チェリーちゃん、今日は一段と美しいよ~」
「ナッツ君、私たちこれからはずっと一緒ね!?」
「××××××××××」
「あ~。聞いてないし、、、」