木のレリーフ「遊」ー新たな試み [木のレリーフ「遊」]
「学長?どこを見てるんですか?」
「ん?そのくるくるの毛にアイディアをもらったんだよ」
「ん?また私をイジル気でしょう?」
「いやいや、きわめて高尚な目的のためですよ」
「ん~あやしいなぁ、、、」
「なんですか、これ?」
「毛」
「w~」
「45ミリ厚の材料から18ミリの板をこんな角度で切り出すと表面に対して木目の角度がすごく鋭くなるでしょう?」
「いや、それと”毛”になんの関係があるんですか?」
「まぁまぁ、、、」
「これが切り出した板でさぁ」
「はぁ、、、」
「でこれをうねった曲面に切り出すとさ」
「あ!”毛” だ!!!」
「うぉー”毛” だらけだ!!!」
「いや、”毛” が作りたかったわけじゃないけどさぁ、、、で、木目の揃った4個を選んでサンディング。」
「こんどはほこりだら毛ですね」
「ほほ~つるつるですw~」
「ほほ~しわしわの手ですw~」
「そっちかい!?」
「年輪の色の濃い線を中心に正方形をこう切り出して 並べるとね」
「おー!あの”毛” のスケッチと同じですねー!!!このタイトルは”毛” ですか!?」
「そ、そんなわけないだろ~」
木のレリーフ 「 遊 」
「うぉーーー、いいじゃないですか!?なんかこれ新境地ですね!?」
「うん、新たな試みでね」
「このレリーフはブログで出会ったお客さんからの注文なんだけど、お話をいただいてから一年近くも待ってもらったんだよ。その頃はまだマグネットのように具象的な形のデザインに力を入れていた時期だったので、気持ちが抽象形に戻るまで待っていただけますか?ということで今までかかったんだ。」
「よく待って下さいましたねぇ、、、」
「うん、ありがたいことだったよ。」
「でね、このデザインは製図ソフト上でレイヤーっていう機能があって、上の図のように4枚のガラスの上に下から四角、丸、三角と一番上にレリーフのパーツを置いてその4枚のガラスをXY方向にそれぞれに動かしながら上のフレームから覗いて、面白い構成のところでデザインとするというやり方にしたんだよ。」
「なるほどそれは学長にとって初の試みですね」
「うん、この方向性で少し作ってみようかな?と思っているんだ。」
「ふむふむ」
「他の細部も見ていこうか?」
「これもなかなかの曲者ですねぇ」
「あ、クモの巣!」
「おーいい縞具合ですなぁ~」
「うんうん」
「う~ん山並みですかね?」
「月に代わっておしおきよ!」
「え!?」
「は?」
「そうそう、この背景はね、1.6ミリ厚の積層ベニアをカッターで切って面を取ってそれぞれに着色をしてから全体をウレタンのクリアで塗装したものなんだ。」
「なかなかいい色が出てるじゃないですか?」
「うん、それぞれの色を最低5回は重ねているんだよ~、けっこう苦労したなぁ、、、。」
「はぁ~いい目がでてるじゃないですか?」
「ほ~美しい~」
「オンタイムプロジェクトの再来ですね?」
「うーん、たまんないですなぁ、、、」
「ところで学長、、、結局何個に一個で採用にしたんですか?」
「ん?ん~3個に一個、、、何か?」
「これからは2個に一個にして下さい!!!」
「なんで?」
「なんで?って、あなたには採算という概念はないのですか!!!?」
「ん?それなぁに?」
「は!!!?」
オンタイムプロジェクトが終わっても仕事はあるし、決算はあるし、でもなんだか気力が沸いて来なくて妙な日々でした。おまけにパソコンが壊れて使い始めた古いパソコンは遅くて遅くて、niceの押し逃げで精一杯です。すんません、、、。
それでも元気でやってます。だんだん暑くなってきましたね。熱中症などにはお気をつけ下さい。