TV.DVD収納とアートマグネット(木のマグネット)ーナラ突き板、トゥレベルク工房の特注家具 [TV.DVD収納(ナラ突き板による)]
急な仕事でひと月遅れてしまったプロジェクトの始まりです!
3月末、道央のとある町に後輩のPさんを訪ねて来ました。このお家には2006年にkuniが作った、気合バリバリのダイニングセットがあります。
これが納品した時の写真。材はブラックチェリーといって、焼け色がすごく濃くなる、納品後が楽しみな材なのです。
木目がうねっているところは光がナミナミに反射していいかんじでしょう?そして、次の写真が、5年経過した焼け色。
光の条件がまったく違うにせよ、作った本人もびっくりするほどの焼け色です!木の経年変化ってほんとすごい。それを忘れてデザインを考えると色々問題が生じます。
さて、本題のTV収納ですが、
同じリビングの反対側に設置します。正面に見えている4点の家具をまとめる形です。
この日から数週間かけて、じっくり考えたデザインは、
こうなりました。材はナラの板目で、引き手、つまみを一切使わず、プッシュラッチで開きます。まるでこの家具は床のナラのフローリングの延長であるかのような雰囲気を目指します。
下台の淡い色の戸は中にスピーカーを入れて、サランネット(メッシュの布)でスピーカーの黒を隠すことにしました。
なんといっても今回の目玉は上のDVDの吊棚。扉は枠の中に、複合板と言って、塩ビ板の両面に鉄の薄い板が貼ってある素材の表面を家具と同じナラの木目のフィルムを貼って、そこにマグネットでアートしちゃおう!という計画です。
ここに使うマグネットは小児科の時のように四季のマグネットにするのですが、そのデザインをこの間から練り直していたんです。で、最後まで決まらなかったのが、「秋」。
木の実、ナス、とか、あれこれ悩みましてね。ほんとはこれの3倍以上はかんがえたんですけど。そして、これらのひとつひとつに1時間以上はかかってます。でもどれも納得できなくて、、、。
でも、ある日はっとひらめいた!枝豆!?
「 おー!けっこう行けそうジャン!」
なんて、思ったのもつかの間、その日の夜、とあるソネブロさんにその話をしたら、
「Kuniさん、枝豆、ビールは夏でしょう!?」と。
「僕のイメージでは初秋なんだけど?」
「夏よ~、だって、緑なんでしょう?」
絶句、、、。
なんででしょうね?なんかね、子供の頃、庭の畑に実った枝豆は暑い盛りを過ぎたあたりに食べていた記憶があるんですね、、、。だから、初秋のイメージだったんですけど。一般的ではなかったんですね、、、。
秋だけで、ここまで来るのに3日費やしたんだよ、、、。これでイケると思ったのになぁ、、、。
w~。
つづく。
4日ほど前から、TV収納は再開しました。
扉などは、仮置きの状態ですが、ここまで出来てきました。7割くらいは進んだかな?間口が2.7メーターですからね。けっこう仕事量があります。ちょっと腰が痛い、、、。
今までに、箱物の記事は2回書いたのですが、それで、基本的なことは説明してしまったので、そうではない部分を書こうとすると、大変で、おまけに他の客さんを待たせていることもありで、今回は完成まで、この箱の記事は書けないかも?です。
箱物は誰も気付かないところにものすごく手間がかかります。それを説明するのもまた大変なことなのだと今になって気が付きました(^_^;)。
なんだかなぁ~な記事ですね。
箱はほぼ完成しました。
塗装はまだですけどね。木地の完成ということです。DVDの箱が乗っているのは、単なる道具箱、位置関係をお見せするのに置いただけです。DVD棚の扉にはまだ複合板が入ってません。
手前の白いのが複合板、塩ビの板の表面が鉄で、塗装してあるものです。奥に見えるのがナラのダイノックシートで中央がそれを貼ったもの。色あいもよく似ているのでパッと見にはわからないことでしょう。
さて、塗装が終わって。
デッキ、チューナーが入る部分のガラス扉だけはまだ付いてません。実は、いつものガラス屋さんに電話をかけたら、「現在使われておりません、、、」って。
この不景気でとうとう耐え切れなかったんでしょうね、、、。17年のお付き合いだったので、なんだかワビシイ、、、。
DVDの吊り棚。ほんとは下台の天板から上に36センチのところに壁から突き出る形なんですけどね。今は安全のために直接置いてます。
この棚の扉の鏡板の表面は木目のシートですよ。微妙に色は違うけど、ほとんど違和感がないでしょう?ここにマグネットがくっつくなんて誰も思わない~♪
パカっと開けると
ステーのところに仕切り板があるのはDVDのケースがステーにぶつからない配慮。このステーなんですけどね。ちょっと苦労があって、、、。
最初はこの「ソフトダウンステー」という、手を離してもスーと下がる物を用意したのですけど、(これ、けっこう高い!)なのに、扉を軽く軽くと作ったら、軽すぎて下がらなかったのね、、、。で、結局お値段が5分の1のステーを使う結果に、、、。ナンジャそれ!?って感じですね。
スピーカーが入る、サランネットの様子です。
2枚の枠が合体した構造になってます。
さてさて、新たなガラス屋さんを探さないといけません。決算もやらなくちゃいけないし、、、w~気が重いなぁ。
ではまた!
17.18日は予定通りPさんの住む道央に納品に行って来ました。
午前中で吊棚が無事付いて、昼ご飯を食べて帰って来たら、あら!
「顔~!」
一人娘のYちゃんがさっそくお遊び!
「う~そう来たか!?、、、負けちゃおれんなぁ」って、何が???
夕方までにすんなり完了して、マグネットも飾り付けました。建築の精度がよく、水平、垂直が正確でほとんど削らずにすんだのです。今まで取り付けた家で一番の精度だったかもしれません。次の日までかかるかと思っていたので、大助かりでした。
これが元の状態。
劇的ビフォー、アフターって感じですか?
今回、突き板を敢えてナラの板目にしたのは、フローリングがナラだったからなんです。見ての通り、床から一続きのように馴染んでいるでしょう?同じナラでも柾目にすると、家具だけが繊細な雰囲気になりすぎて、こういう風には馴染まないと想像したのです。ねらい通りになりました。
だから、そこに飾る物がうんと映えるはずなんです。
手前にはkuniのダイニングセットもあるので、もうここはkuniのショウルームみたいですね。札幌市内だったらなぁ、、、バリバリお客さん連れて来ちゃうよ!ほんと。
Pさんね、食玩のコレクションがすんごくて、
天板に並べて見ると、映える映える!
晩御飯をご馳走になってから、また撮影、、、
「重いってば!やめろって!」
「ウシシ~」
なんて、一人遊びをしたり、、、
30年来の夢を実現したマグネット。きっと僕も出来ていない造形遊びができることでしょう。面白い形が出来たら、写真を送ってくれるように頼んできました。楽しみですね。
あらんかぎりのデザイン、技術、知識、愛情をそそぎ込んだこの仕事、終わったらさすがに疲れが出まして、二日間何をする気力もなく、昨日になってやっと回復してきました。
さて、次はミニプロジェクト、ペンスタンドといきましょか?
ではまた~。