銘木フォトフレームの新作 [日々の出来事]
久しぶりに自分の作品を作り始めたら、だんだん勢いづいて来ちゃったkuniです(笑)写真は正式和名がハリエンジュ、俗称はニセアカシア。札幌では街路樹としてよく見る樹の瘤です。
2004年の台風の被害がひどかった年に倒れた街路樹なんですが、この瘤にはちょっと思い出がありましてね。
台風が過ぎて行って1週間ほど経ったころ、杢好きの友人から電話がかかって来て「今、倒れた木を市民配布している場所にいるんだけど、瘤のでっかいのが付いた木があるんだけど手伝ってくれない?」と。
一時間ほどかけてその場所に行ってみると、とても二人でも車に載せられる大きさではなくて、さらに二人の合計4人でようやく載せて持って帰ってきた材なのです。
下ろすのも瘤を切り離すのも大変でしたけど、まぁカゴ4個分は採れて二人で分けたのでした。
でもせっかく苦労した割には入り皮が多い瘤で、欠点のない板は切り出せなく、カゴふたつから一輪挿しが数個採れただけで後はマグネットに少しずつ使うしか用途はなかったのです。
今回、フォトフレームを作ってみようかと
入り皮を避けながら4〜5枚分のパーツが木取れたかと思いましたけど、
面を削ったら中から入り皮が出て来ちゃったりとか苦労しつつ、どうにか3枚のフレームが完成しました。その奇跡のひとつが冒頭の写真というわけ。
そもそもこのフォトフレームには縮杢、鳥目杢とか削るのがやっかいな材料を使いますでしょう?その「やっかい」の意味なんですが、まず板や塊からパーツの断面よりひとまわり大きく切り出す。これが「木取り」そしてこれを正確な断面に削り出し、ガラスのしゃくりと曲面を削り出すという手順なわけですけど、杢のある木というのは木取りの後の「正確な断面に削り出す」ということ自体がとても大変なのです。
イタヤカエデの縮杢の上が木取り直後で斜めの痕跡は鋸の跡です。これを通常の機械で削ると下のように逆目のところが1ミリ近くも掘れてしまい、これを平にしようと鉋を何度もかけるとそもそもの断面が不正確になってゆくので杢のある材というのは普通の削り方では対処できないんですね。
なので鋸で木取りをした後、もう一度鋸でなめるように削って断面を正確に決めるという手順になるのですけど、これが難しいのですわ。
こういう見事な縮みほど削るのはやっかいなんですねぇ、、、。見栄えのする材ほど作るのは大変なのでした。
作品がどんどん出てきますね~、しかもいい作品!!
by opas10 (2016-04-16 22:50)
どんどんと意欲が湧いてくる、どうしたらと、あれこれ考え、持ち味を充分に引き出して仕上げる、そこにkuniさんの矜持を感じています、、倒木も
命をもう一度活かしてもらって、本望でしょうから、美しいだけでない、過程を説明したいただくと、奥深い輝きが見えてくるようです
by engrid (2016-04-17 00:41)
勢い付けて下さい!^^
いつもの、木目を生かした素敵な作品です。
これからもじゃんじゃん作ってね。^^
by hatumi30331 (2016-04-17 08:11)
木目って色んな表情を見せてくれるんですね。
作品のページを見て、そう思いました。
よくばりフレーム、ホント欲張り♪
逆目はkuniさんでも厄介なんですね。
前述の器屋さん、ろくろを逆回転させて
逆目を整えてるのが自慢ですって言ってました。
by みち (2016-04-18 00:44)
>opasさん、箸置きやりますよ。
>engridさん、やっと元気がもどってきました。
> hatumi30331さん、はい、じゃんじゃん行きますよ!
>みちさん、ろくろの場合は同心円にペーパーの目が付きますでしょう?細かいペーパーにせざるを得なく、かつ高速回転なので毛羽が回転方向にに寝てしまうから逆回転もせざるをえない。ろくろにおいては逆転は当たり前のことなんで、それが自慢気というのはちょっと?かなぁ。
by kuni (2016-06-01 08:45)